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今月の一言  2013年6月

「ひと、あったかい」

宅老所あったかいご
管理者 倉田 雅恵さん



(1)宅老所での皆さんの生活の様子と、その中で感動したエピソード等ありますか?

長野市松代の静かな住宅街にあり、12年前に開設されました。
一日最大10人のお年寄りと5人のスタッフがゆったりと心地よい時間をすごしています。
ここには、スケジュールはありません。
ここにあるのは、家庭に近い「ふつうの暮らし」なので、全員が同じ時間に同じことをする必要や決まりはありません。
大勢で決められたことをするのが苦手なお年寄りも、自分のペースで無理なく過ごして頂けます。
家庭の居心地と介護の専門性が一体となった気持ちのいい場所でありたいと思っているからです。
たとえば、朝はまずお茶を飲みながら、その日の昼食メニューをスタッフと相談して、散歩がてら買い物も一緒に行きます。
その後は、おしゃべりを楽しんだり、新聞やテレビを見たり、お風呂にゆっくりつかったりと、
気持ちの良い時間を過ごして頂けるよう心掛けています。
昼食づくりのお手伝いや、洗濯物をたたむなど、できることをして頂くことで、個々人のリハビリ効果が上がるようサポートも忘れません。
昼食は、季節の野菜をふんだんに使った手作りで、スタッフも一緒に食べることにより、会話も弾み、お年寄りの嗜好もわかり、互いの距離も近くなります。
ある時は、スタッフが子連れで出勤するケースもあります。お年寄りも自ら体を動かし、子育てに協力している光景は、まるで大家族のような賑わいで、とても微笑ましいですよ。
今年の1月に、約10年、「あったかいご」に来てくれていたお年寄りが亡くなりました。当初は、認知症の症状はありましたが、ご自分で歩き、いつもニコニコして、お手伝いをたくさんして下さっていました。しかし、だんだん年をとり、歩けなく、自分で着替えられなくなり、自分でご飯が食べられなくなり・・・といろいろな介護が必要になってきた時に、一緒に住んでいる娘さんが、その時々に合わせ、丁寧な介護を続けていました。その上で私たちは、月曜から土曜の日中の生活を支えました。最後の方は、寝たきりの状態になり、「今日は笑ったよ」「たくさん食べられたよ」「床ずれができてしまったよ・・・」とご家族と一緒に一喜一憂した1年でした。そして、亡くなる前日まで、「あったかいご」に来て下さり、最期は自宅でご家族に見守られて亡くなられました。ケアマネさん、訪問看護師さん、歯科医師さんらと連携をとりながら、在宅での生活を支える事で、最後まで家で過ごせたお手伝いができたことは、本当に嬉しかったです。

(2)福祉サービスを利用する方へのメッセージをお聞かせ下さい。

今は、いろいろなサービスがあるので、ぜひご自分に合うものを選んでください。
福祉のサービスは、「利用」するものですが、利用者さんが、「お金を払ってるんだから、権利があるんだ」と上下の関係のようになってしまったり、「専門職におまかせ」という感じになってしまうと、なかなかうまくいかないような気がします。利用者さんと専門職が、「一緒に介護していくんだ」とか「力を合わせて課題を解決していこう」というような関係になっていくと、いいのかなと思います。

(3)あったかいごとして大切にしている事はありますか?

形式的な日課が無く、時間に縛られない自然な生活をして頂くことから、「その人らしさ」が出て、笑顔になる・・・自宅のような雰囲気を大切にしています。
気持ちだけでなく、細かい介護の積み重ねが、お互いに言い合える間柄になり、お年寄りとしてではなく、人として付き合って行くことが大切と考えています。
手間を惜しまず一人一人に寄り添える介護でありたい。
「自然に老いること」。もちろん、みんな「いつまでも現役でいること」「ぴんぴんころり」を願っています。でも、必ず誰でも老いるものだし、その中で病気になったり、介護が必要になることもあるでしょう。でも、それを自然なことだと考え、それでも笑ったり、元気に過ごしていくことをめざしています。
また今の社会の現状では、家で介護していくことは、大変なことですが、私たちが出来る限りのお手伝いをしながら、できるだけ長く家で暮らすことができたらいいなと思っています。 
 
倉田さんやスタッフの皆さんの細かい配慮があるからこそ、利用者の皆さんの穏やかで温かさを感じる笑顔がいっぱい!みなさん口々に、顔を合わせると笑っちゃうんだよね!
お互いの存在をちゃんと意識し、気遣っている姿!
一緒にお茶をいただいた短い時間、何故か居心地の良さを感じました。


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